2019年11月7日木曜日

3DプリントとCNCミリング

3D造形の基本についてメモ

Woodpecker CNC 3018 の調整について考えていて、自分が何も知らない事に気が付いた。
いや、自分が物を知らないという自覚は子供の頃からあるのだけど、単に物を知らないのではなくて、物事に対する理解が浅いというか、見て、知ってはいても、本質に届いていない感じがする。
というよりも明らかに届いてない。

見て、聞いて、試してみても、その先の考察が足りないのが主な原因だと思う。

話が大幅に横道に反れたけど、このブログで取り扱っているテーマについて、少しは掘り下げる努力をしてみたい。
誰かの役に立つかどうか?は問題ではなくて、自分自身を理解を深めるための作業として…。
自分自身の役に立つかどうかも、あまり気にしてはいない。
損得勘定で自分の行動を決めると、大抵のことは無為だったりする事も経験的に知っているから、そうしたくはない。

で、ここからが本題。

現状、私の手元にある機械で、3D造形に使えるのが、3DプリンターとCNCミリングマシンの2つ。
世の中には他にも色々と便利な物があるし、私が知らない機械とか技術とかもあるだろうし、これからも増えていくだろう。
けど、2019年の時点でポピュラーなのは、この2つだと思う。
3Dプリンターは大まかに2つに分けられる。
ここで取り扱うのは、FDMとか略される、溶かしたプラスチックを押し出して積み上げていくタイプのやつ。
FDMでも、いくつかの種類があるけど、いわゆる直交型とか呼ばれるヤツが主流派だと思う。
ちなみに、ここで取り扱ってるのはデルタ型で、直交型とは少しだけ違うけど、使い方には大した違いはない。(というのは乱暴すぎる?)

で、結論を先にいうと、この2つの機械は、本質的には同じ物だ。
3軸の加工機として、何らかの道具をXYZの各軸について、正確な位置に運ぶ。
3Dプリンタは溶かした樹脂を吐くノズルを動かして、造形テーブルの上にニルニル積んでいく。
CNCミリングマシンは、ドリルみたいな回転する刃物を、テーブルに固定された材料に押し当てて、ギョリギョリ削っていく。

そう、積み上げるか削るのか、道具で「足す」のか「引く」のか、の差しかない。
もちろん、フィラメントを押し出して、木材とか金属とかを削ることは出来ないし、逆に、刃物を振り回して何もない空間に何かを形成することも出来ないので、そういう意味で言えば2つの機械は決定的に違う。
それでも、「足す」か「引く」かの違いであって、どこをどのように加工するか、という指示で動いているという点は共通している。

では、得られる結果が全く同じになるか?というと、そこは全く違う。
CNCミリングマシンでは、中が空の物体を作ることは不可能で、中空に限らず、元々の材料を削るための刃物が通る場所のない形状を削り出す事は出来ない。
3Dプリンターはミリングマシンより、いくらか自由度が高いが、こちらも全くの空中に造形するとか、思いっきり細長い物体なんかは苦手だ。

どちらの場合でも、出力したい形状を指定する所は共通している。
立体の形状をPC内で表現するために何らかのモデリングツールを使用する。
広い意味では、CADと呼ばれるツールがそれで、DXFとかSTLとかの形式でデータを受け渡す。
モデリングして得られたデータを、プリンタなりミリングマシンに渡す形式に変換する。
ちなみに、3DプリンタとかCNCミリングマシンには、Gコードと呼ばれる形式のデータを渡すことになる。

この変換が肝で、ここで、積み上げるのか、削るのかが決まる。
もう少し正確に言うと、どちらに適したツールを選ぶのが先で、大抵の場合は何を作りたいかで、データを作るツールが半ば自動的に決まってしまう。
ツールにも色々あるけれど、全部を使うことは出来ない。
無料のものもあれば恐ろしく高価なのもあるし、使い易さとか好みとかも加味すると、自ずと使えるツールは絞り込まれる。

んー、ちょっと、話が見えにくくなってきた気がする。
整理すると
  1)形状を作る
  2)形状をGコードに変換する
  3)機械にGコードを送り込んで加工する
という、3つのステップに分かることが出来るだろう。
それぞれ、単体/単機能のツールもある。
1と2がくっついているもの。
2と3がくっついているもの(この場合は3が主体)。
1と2と3の全部入りってのもある。

WebサイトでもBlogでも、色々なツールが紹介されていて、多機能なものになるほど、上記の3つの境界が曖昧になっていたり、「そんなの常識だから」説明が省略されていたりすることも少なくない。

そこら辺についても、今後も機会があればメモを追加していこうと思う。
とりあえず、今回のエントリのまとめは

「盛る」のと「削る」のの差があるので、ツール(プログラム)は使い分けよう。
という一点。

長々書いて、たったこれだけ。
書き手のセンスのなさが丸出しだね。
落胆しつつ、今回はここまで。

0 件のコメント:

コメントを投稿